危険生物の対処

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 さされたり・かまれたりした場合に、命に影響がある生物の習性と対処方法を掲載します。
セアカゴケグモ
 近年、温暖化に伴って外来種の生息が確認されています。代表格としてセアカゴケグモが知られており、最近も確認情報や被害情報が報道されています。正確に方法を知って対処しましょう。



特徴
 1995年大阪府高槻市で初めて日本国内で確認され、2014年9月現在で35都道府県で確認されている。オーストラリアを原産地としている。ヒメグモ科に分類される有毒の小型グモで、「背中の赤いゴケグモ」の意味。


メス

オス(上側、下はメス)

 メスは体長1cm前後で、丸くつやつやした黒い体で、背面と腹面に赤い模様がある。寿命は2-3年といわれ、1匹の総産卵数は最大で5000個になることもある。オスは3-5mmで、背面には赤い模様はないが、腹面に赤い模様がある。



生息している場所
 網を張って住みつき、繁殖するには次の条件が必要です
1 日当たりが良く、暖かいところ
2 昆虫や小動物などの餌が豊富にあるところ
3 巣を張る適当なすき間があるところ

・排水溝の側面やふたの裏
・花壇のまわりのブロックのくぼみや穴、プ
ランターと壁とのすき間、うつ伏せの空の植
木鉢の中

・芝生や植木あるいは水抜き管の内部
・墓石の花立てと線香立ての間や巻き石な
どのすき間

・自動販売機の裏、クーラー室外機の裏、
浄化槽ブロアーカバーの内部などの人工
的な熱源の周り






活動時期
 活動時期は通年ですが、夏にかけて活動が活発になります。



刺されないようにするためには
セアカゴケグモが生息している場所では、次のようなことに気を付けてください

・溝などを清掃するとき、ふたやグレーチング(格子)の裏にいたクモに触れてしまう。作業には軍手を着用し、ズボンの裾から入り込まないように注意すること。
・帽子やヘルメット、長靴など身につけるものを長い間屋外に置いていて、その間にクモが入りこんでしまう。着用する時に触れてしまう。それらを使用したり触ったりする時は、特にその中や裏側を十分に点検すること。
・クモの隠れる小さなスペースのある、砂場の玩具、地面に半分埋められたゴムのタイヤなどで遊ぶ時に触れてしまう。
・植木の手入れ時に、植木鉢で隠れていたクモに触れてしまう。



咬まれたときは
 素手でさわらない限り咬まれることは有りませんが、咬まれると激しい痛みととももに、局所の腫れ、めまい、嘔吐などの局所症状のほか、時には血圧の上昇、呼吸困難などの全身症状が現れることもあります。有効な抗毒素血清がありますので、咬まれたときはまず、医療機関に相談してください。

咬まれたときの症状
・はじめはチクッと針で刺したような痛みを感じます。
・やがて咬まれた部分のまわりが腫れて赤くなります。痛みはしだいに全身に広がります。
・悪化すると、多量の汗をかいたり、さむけ、はき気などがあらわれることもあります。
・通常は、数日から数ヶ月で回復する例が多く、咬まれても重症になることはほとんどありません。

咬まれたときの処置
・万一クモに咬まれたら、余分の毒を流水や石けん水で洗いおとします。多少出血があっても、包帯や止血帯はしないほうが良いでしょう。
・できるだけ早く病院に行って治療を受けることが大切です。(病院には咬まれたクモを殺して持参してください。適切な治療につながります。)



対策
・生息しそうな場所に普段から注意し、クモの巣があれば、棒切れなどで払って、クモが巣を作らないようにすればこのクモからの被害を避けることができます。
・セアカゴケグモを見つけても、素手で捕まえたり、さわったりしないようにしましょう。
・クモに直接、市販の家庭用殺虫剤(ピレスロイド系)を噴霧すれば駆除できます。



さらに詳しく知りたい方は
 こちらを参考にしてください。

スズメバチ
 スズメバチに刺されて死亡する人の数は、毒蛇にかまれて亡くなる人よりも多い。森の中だけでなく、公園や家の近くでも見かけることもあります。その大きさ、羽音には恐怖を感じます。正確に方法を知って対処しましょう。



種類
 スズメバチの名前の由来は、スズメ並に体が大きいから、巣の外壁の模様がスズメの模様に似ているからの2種類あります。
 「スズメバチ」と呼んでいるのは、スズメバチ科のスズメバチ属に属する7種類のハチたちです。その他、クロスズメバチ属・ホオナガスズメバチ属に属するハチたちがいます。クロスズメバチは、長野で蜂の子として食用されているもので、「スズメバチ」に対して体も小さく、攻撃性もそんなにありません。


オオスズメバチ

キイロスズメバチ

 「スズメバチ」の中でも、刺傷事故が多いのが、オオスズメバチとキイロスズメバチです。いづれも他のハチと比べて、圧倒的に大きく、スズメバチの中で小型であるキイロススメバチで18〜25mm、世界最大のオオスズメバチの働きバチでは、27〜40mmの大きさになります。女王蜂では、1.2倍の大きさになります。
 その他、ヒメスズメバチ・コガタスズメバチ・モンスズメバチ・チャイロスズメバチ・ツマグロスズメバチが属します。



巣のある場所
 スズメバチの巣はなかなかきずき難いところにあります。あたりに飛び交うハチの数が増えたり、一定の方向に飛ぶようになったら、近くに巣がある可能性があります。

 ・屋根の軒下
 ・車庫の屋根の下
 ・庭木の中
 ・天井裏
 ・家の壁の隙間
 ・床下
 ・木の空洞の中
 ・土の中


キイロスズメバチの巣



活動時期
 5月頃に、女王バチが一匹で巣作りをはじめます。この巣に女王バチが働き蜂を産み付けます。この時期の巣は小さく、取り除くのも簡単です。その後働き蜂が増えていくにしたがって、巣が大きくなり、攻撃性も高くなっていきます。じっさいに、ハチ刺され事故が、8,9月に集中しています。10月以降になると、雄バチや新女王バチが増えてきます。これらは、そんなに攻撃性は高くありませんが、働きバチが活発に活動することがあります。
 冬は、新女王バチが土の中などで越冬します。



刺されないようにするためには
 ハチは、外的から身を守るために攻撃します。巣やハチを刺激しなければ、むやみに刺しません。
 ・手で払ったり、駆け出したりしないようにしましょう。
 ・巣を見つけたときは、静かにその場を離れましょう。
 ・家や車の中に入ってきたときは、窓を開けて出て行くのを待ちましょう。
 ・黒い色は、ハチに攻撃されやすいので、白っぽい帽子、長袖、長ズボンを着用しましょう。
 ・知らずに巣に近づいてしまうことがあるため、山道から外れないように歩きましょう。また、ハチを刺激するので大きな音をたてないようにしましょう。
 ・においにハチが集まることがあります。ジュースの空き缶などは必ず持ち帰りましょう。香水などをつけるのもやめましょう。



刺されたときは
 ハチに刺されたときは、すぐに手当てを実施してください。
・姿勢を低くしてその場を離れる。
・傷口から毒を指でしぼりだす。
(口で吸い出すのは間違いです。口の中に傷があるとそこから毒が入ります)
・患部を洗浄し、氷で冷やす。
(小便をつけるといったことは、アンモニアも効きませんので効果ありません)
・薬(抗ヒスタミン軟膏)をつける病院(皮膚科または内科)に行く。
(抗ヒスタミン軟膏があれば、最寄のどんな科の病院でもかまいません)

 一度に多くのハチに刺された、直後にショック症状が現れた場合
 危険ですので、すぐに病院(内科)で治療を受ける必要があります。
(ショック症状の例:呼吸困難,顔面蒼白,全身のじんましん,吐き気,激しい悪寒
ショック症状(アナフィラキーショック)については、こちらを参照ください)
 二回目刺されると危険といわれますが、ハチ毒アレルギー体質の人は、ハチ毒に対する抗体が、2度目に入ったハチ毒に過敏に反応します。この際は上記処置を早急実施必要です。通常体質の人は、これにあてはまらない場合があります。



対策
 対策の一例として誘引トラップがあります。NHKでも紹介されたようです。林の中などにペットボトルがかかっているのを見かけた方もいらっしゃるかと思いますが、このトラップではないでしょうか。誘引液のレシピはいろいろあるようです。くわしくはこちらを参考に。


ペットボトルを利用した誘引トラップ





さらに詳しく知りたい方は
 都市のスズメバチを参考にしてください。