日岡山公園Fan            日岡山展望台より

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第六回 城山
第七回 加古川線が走る街@
第八回 加古川線が走る街A
第七回:加古川線が走る街 @

 日岡山の西ふもとをゆっくり南方へと流れる加古川に沿って走るのが、「JR加古川線」です。山陽本線加古川駅と福知山線谷川駅(旧氷上郡・現在は丹波市)を約50kmで結んでいます。日岡山公園や日岡神社などへの最寄の駅となる日岡駅前には、曇川(くもりがわ)と別府(べふ)川をつなぐ工事が行われていますから、終了しますと周辺は大きく変貌するのではないでしょうか。
 待合室は曜日や時間帯によって大きく様変わりします。平日の朝方は忙しそうに改札口を走り抜けて駆け込み、夕方には家路へと急がれる通勤・通学者で溢れています。単線のため駅では上り下りがすれ違い、同時に停車の車輌から乗降される何気ない日常の風景があります。
 平日の昼間や特に休日ともなれば、雰囲気は少し違ってきます。東方20分ぐらいで夏季にはプールも開設される「加古川スポーツセンター」へ向かう学生さんたちの姿があります。リュックサック姿の集団は、ハイキングや史跡探訪をするのでしょうか。小さな子供が一緒の家族連れは、公園や広場の木々の中を散歩されるのでしょうか。手をつなぐ若い男女は恋人同士なのでしょう、ゆっくり歩き語らいながら公園や神社の方へ歩かれていました。
 日々の暮しに、生活の中に深く溶け込んでいる「加古川線」は、建設当初には国鉄(現JR)ではなく「播州鉄道」と呼ばれた私鉄でした。江戸時代に加古川を船で大量の荷物を運ぶため往来していました舟運は、人々の暮らしに欠かせない動脈でありました。その川沿いで、上流の丹波や北播磨と河口の高砂港までを結ぶ新たな交通手段を敷設目的として明治43年には申請書を出しています。
 大正2年に当時の国包(くにかね)駅(現在の厄神<やくじん>駅)、同12年には「播丹鉄道」と名を変えて全線が開通しています。計画の段階では、「日岡駅」の名称ではなく駅が所在する集落名から「大野駅」の予定でしたが、常磐線に同名の駅がありましたので変更したそうです。
 最近、加古川駅周辺での高架工事に伴ない加古川線全線が電化されました。加古川線へ乗り換えますと、一つ目の日岡駅には数分で辿り着く便利の良い場所にあります。公園には駐車場が完備されていますから車の方法もありますが、電車と徒歩で公園などへの「おでかけ」にして一日をのんびり楽しく過ごされるのはいかがでしょうか。
                            20101205 岡田 功(加古川史学会)


現在の日岡駅

日岡駅停車中の電車
写真の景色は平日、7:30 12:00の2回、土・日・祭日、7:22に1回見ることが出来ます。