日岡山公園Fan            日岡山展望台より

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第五十一回 加古川宿界隈を歩くS
第五十二回 平荘湖@
第五十三回 平荘湖A
第五十二回:平荘湖(へいそうこ) @―名称―

日岡山展望台の西側を加古川が悠々と流れ、対岸には東播磨工業地帯の工業用水や農業用水を送水する目的で昭和41年5月に竣工した「平荘湖」があります。
 水位は34m、貯水量が900万t、一日の配水量は20万tといわれています。湛水面積約1?の面積は、所在地として記している南側の平荘町池尻をはじめ、東側は同町里、西側が東神吉町升田、北西側の同町天下原(あまがはら)にまたがる広大な地域になります。
 車や歩いての進入路は県道平荘・魚橋線など何カ所かありますが、バスを利用しての徒歩を選びました。
 右岸沿いを走る県道高砂・加古川・加西線の「池尻ダム口」バス停があり、近くには【天空への階段】で紹介した「八十の岩橋(やそのいわはし)」登り口が見えます。西方への坂道を10分ばかり進んで行くと、第一堰堤の南側へと辿り着きました。静かに波打つ湖面を背景にして、低い木々で囲まれた一画には横に細長い石柱が眼に届き、「平荘湖」と大きく刻まれていました。
 平日にもかかわらず多くが行き交い湖畔沿いの外周道路約5kmを走ったり歩いたりしながら楽しまれていました。1年を通して四季折々の湖面に映える情景や木々、草花、野鳥などが伺えます。観察と共にレンズを向けている方もおられ、休日ともなれば散策する人が増え憩いの場所にもなっているのです。
 すぐ傍には県企業庁が建てた「概要」の看板は、湖についての詳細が記されていました。眺めていて、呼び名は何通りかあるのだと分かりました。「平荘ダム」とあったからです。ましてやバス停名の「池尻ダム口」、一周していたら西側の第三堰堤には「平荘貯水池」と表示していました。「湖・ダム・貯水池」の三通りの用途はどのような区別があるのでしょうか。
 違いを知りませんでしたから調べました。『角川実用国語辞典』によれば、湖は「陸地にあって池・沼よりも大きく……」、ダムでは「水の発電のため、河川や谷の水流を堰き止め……」、貯水池は「水道、発電のため水を蓄える人工の池……」とそれぞれありました。
 他の資料では数字や環境などで区別をしているのですが、命名にあたっては詳細な分類があっても「昔からの名称……」を引き継いでいる場合が多く、勝手に名付けているから混乱している、との指摘もあり意外と曖昧だと分かりました。
 一般に「平荘湖」と呼ぶ名称は、分類上「湖・ダム・貯水池」のなかで正解があるのでしょうか。                  20160430 岡田 功(加古川史学会)