また、久しぶりの日記になってしまいました。不甲斐なくて申し訳ないです。
詳しくは書けませんが、ナリタで作戦がありました。もともとは日本解放戦線を追い詰めるものだったのですが、そこに、黒の騎士団が出てきました。どこかから情報が漏れたのか、そうでなければ、ゼロは日本解放戦線と手を組むつもりだったのではないかと、セシルさんが言っていました。
途中から、ユーフェミア殿下のおかげで、ランスロットは作戦に参加させてもらえました。そして、いろいろあってから、ゼロを追い詰めたことはおぼえているのですが、
ランスロットの暴走というのがあって、僕の記憶は少し抜けているようです。混乱したままです。
いったいあのとき、何があったのでしょう。あの女の子は、なんだったのでしょうか。それに 書き間違えました。とにかく、まだわからないこともありますが、ロイドさんが、開発上の事故ということで処理してくれたらしくて、僕が責任を問われることはないそうです。また、お礼を言っておかないといけません。
今は、ゼロが起こした土砂崩れで、埋まっている人たちを、救助しています。少しでも多く助けられたら、と思います。
そういえば、前の休憩時間に、シャーリーを見かけた気がします。彼女がこんなところに来るはずはないので、僕の見間違いだと思うのですが、だったらなぜ、そんな見間違いをしたのでしょう。疲れているのでしょうか。たしかに、早く学校に行きたい、とは思っていますが… いえ、こんなことは、まだ苦しんでいる人たちにひどいですね。ごめんなさい。
そうだ、ルルーシュから電話があって、出たら、もう大丈夫なのかと言われました。なんのことかわからないのですが、心配されているようだったので、大丈夫だと言っておきました。ルルーシュは心配性です。
母さん。お願いがあります。
どうか、父さんを眠らせておいてください。そして、ルルーシュの目と耳を塞いでおいてください。動けないようにして、ずっとあのクラブハウスで、僕を待っているだけにしてください。
ルルーシュが俺のナナリーになってくれたらいいのに
ごめんなさい。忘れてください
引き続き、ナリタの後始末をしています。
今日は、二人生存者が見つかりましたが、二人とも衰弱しきっていて意識がなく、一人は、医療車に運ばれる最中に亡くなったそうです。もう一人の人は、病院で、奇跡的に家族の人と恋人の人と会えたそうです。最後が安らかだったならいいと思います。
恋人と言えば、ルルーシュです。
ナリタに出発する前、セシルさんが手配してくれて、少しですが準備時間をもらえました。もともと、大規模な作戦行動に参加する兵士は、その前に恋人や家族に会えるようにするという制度があります。僕は今まで一度も使ったことがなかったのですが(そもそも名誉ブリタニア人には本当は権利がありません)、セシルさんが気を遣ってくれたのです。
なので、ルルーシュに数学のノートを返しに行きました。ルルーシュはノートがなくても大丈夫そうなので、別に、あのとき返さなくてはいけないというわけではなかったのですが、せっかくセシルさんが調整してくれたのに、いらないと言うのも気が引けたのです。それだけです。
でも、ルルーシュは、女の子といたみたいで、邪魔をしてしまったようでした。
ノックをしてから入ったのに、ノックの意味がないと怒っていました。ノックをすることで、今から入るということを知らせることはできているんだから、ちゃんと意味はあると思うのですが。そもそも、部屋で何か、見られて困るようなことをするなら、鍵をかけておけばいいのです。そういうことにも、ちゃんと気をつけてあげないといけないと思います。ルルーシュは、案外そういうところに、気が回らないのです。
ルルーシュの彼女のこと、ナナリーは知っているのでしょうか。それに、シャーリーのことを考えると、なんともいえない気持ちになりました。篠崎さんなら、見かけたことがあるかもしれないと思うので、また聞いてみます。
それにしても、僕にまで隠すことないのに。と思います。
書いていたら、なんだか胃の辺りがむかむかしてきました。まだ、副作用が残っているのでしょうか。これからまたランスロットに乗らなくてはいけないのに大変です。セシルさんの胃薬をもらって飲むことにします。
ルルーシュのばか。僕が死ぬとき、いったい誰が見るというのでしょう。
引き続き、ナリタの後始末をしています。
日本解放戦線が全滅したという噂が流れてきました。本当かどうかは、まだメディアに発表されていないので、わかりません。
黒の騎士団は、相変わらず活動を続けています。
藤堂先生はどうなったのでしょう。ナリタに、先生らしきナイトメアがいたという話を聞きました。先生は、ゼロと会ったでしょうか。ゼロのことを、どう思ったでしょう。
僕は、無事を祈ることをしていいのでしょうか。
寮に、会長から連絡が入っていました。シャーリーのお父さんが、なくなったそうです。
あのときシャーリーを見かけたのは、見間違いじゃなかったのです。ナリタで、土砂崩れに巻き込まれたのだそうです。僕がもっと早く動けていたら… いえ、たとえそうできたとしても、あの土砂崩れを予想することはできません。
ゼロは約束を破りました。弱い者の味方だと彼は言っていたけれど、シャーリーのお父さんは鉱石学者だったはずです。ブリタニア人だから、弱い者ではないかもしれないけれど、少なくとも、誰かを撃とうとしていた人ではありませんでした。ゼロは、自分で言ったことも、忘れてしまったのでしょうか。それとも、もともと、守るつもりなんてなかったのでしょうか。
クラブハウスに電話をしてみましたが、ルルーシュは出かけているそうです。シャーリーのところへ行っているのでしょうか。
葬式の日でした。すごく寒い日でした。
ゼロ、このところずっと、ゼロのことを考えています。ゼロが死ぬことを考えています。ゼロが死んだら、世界がどれだけ平和になるかを考えています。
葬式が終わってから、僕はまた、すぐに軍務に戻りました。そう言えば、一ヶ月近く、僕は学校に行っていませんでした。それなのに、みんなとほとんどしゃべらないままに戻ってしまいました。
僕の本職は軍人なのだと、今日、改めて実感しました。僕には、シャーリーを慰めることはできません。でも、殺された弱い人たちの代わりに、ゼロに裁きを受けさせることはできます。
自分に、シャーリーのお父さんの仇を討つことができる力があることを、師匠と、ロイドさんとセシルさんに、心から感謝します。ルルーシュと、ナナリーにも。
そういえば、ルルーシュは、ずっと黙り込んでいました。ルルーシュは、少し、ゼロの考えを支持しているようなところがあったけれど、これで、考え直してくれたらいいと思います。
今日は特派は、ダールトン将軍から呼び出されています。詳しいことはまだ知らされていないのですが、あちらから依頼されて、作戦に参加させてもらえるかもしれないということです。たぶん、黒の騎士団が相手なのではないでしょうか。
ゼロは来るでしょうか。きっと、来るはずです。
こんなにゼロを待ち遠しいと思うのは、たぶん、はじめてです。
シャーリーのことで、ルルーシュに電話をかけようと思っていたのですが、時間がなくて無理でした。葬式の後、二人はどうなったのでしょうか。ルルーシュは変に優しいところがあるので、心配です。部屋に入れるような、心に決めた人がいるなら、中途半端なことをするべきではないと思います。妙な期待を持ってしまうと、本当のことを知ったときに、すごく傷つくのです。