ジャッカスな日々  その2  「ジュニア・誕生」



 


   ジャッカス・ジュニアが誕生した。
 
  おっちゃんの住む志方の子供会で、ソフトボール・ チームが
 結成された。

  子供会の行事なのだから、ジャッカスとは関係ないのだが
 おっちゃん家の啓介、亮平。 矢ノ川家の真之介が参加してい
 るのだからこれはもうジャッカスの後継者チームと考えるのが
 当然であろう。

  今年の役員にあたるとかで、おっちゃんが監督を請け負って
 いる。 球技大会のまとめ役も任されているらしく、何かと忙し
 いようだ。 本番当日に向かって、忙しい家業の合間を縫って
 子供たちの面倒を見ている。

  本家のジャッカスは、いまや中年太りで活動が停止している。
 おっちゃんとしては、現役当事に培ったまとめ役としての力を
 発揮する舞台がやってきたようだ。

  しかし、巷のうわさではとんでもないチームらしい。
 スポーツ万能の両親の血を、今はまだ発揮できない慎之介。
 その慎之介をさま付けで呼ぶチーム・メイト。

  頼りの啓介は、年に似合わぬ疲労骨折で戦線離脱。
 亮平は代打に出すと、その後、代わったはずの真之介が、又
 守りに行く。

  「あかんやろ、それはぁ。」

  おっちゃんのため息が聞こえるようだ。 
         
  球技大会当日。  ある選手の怠慢プレーに
 おっちゃんがついにぶちきれた。 

  「だぼー、ちゃんとせいー」

  何事もはじめから上手くはいかないもの、ジャッカスも一日に
 しては成らず。  元祖ジャッカスはあんなもんではなかった、
 ジュニアはまだまだ可愛いもんです。

                          がんばれ大西監督。