ジャッカスな日々 その1 「突撃布教活動」
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     パソコンが世間に広まっている。 ウィンドウズだ、
    ソフトだと大流行である。 ジャッカスでは高須、
    岩本が仕事としてコンピューターに関わっている。
    オッチャンも個人的に勉強している。 ある日とうとう
    E・メールをやり取りし出した。 凝り性のオッチャンは
    たちまちはまり、夜な夜な高須へメールを送る。しかし、
    悲しいかな返事がなかなか返ってこない。 言いっ
    ぱなしでほったらかされたメールほどつらいものは
    ない。

     「メール仲間を増やそう。 このままでは孤独死
      してしまう」

     と思ったかどうかはしらないが、パソコンの
    普及に乗り出した。 幸い、高須のところに古い
    機種が余っていた。 まず、矢ノ川家が標的となる。

     言葉巧みに家に持ちこみ、セッティングする。
    オッチャンがメール攻勢をかける。

     「メールは面白いんやけど、なんか、
      動きが遅くて使いにくいなぁ」

     「今のやつは、めっちゃ早いで、
      もう新しいやつ買いんかぁ」 

     甘い誘惑に乗せられ新品を購入する。 動作
    環境の良さに矢ノ川もはまる。 活動の成果に
    気を良くした彼らは矢ノ川をも巻き込み、次なる
    標的へと向かう。

     「お宅、メールせぇへん?  今から
      パソコン持っていくわ」

     電話を置くが早いか玄関の呼び鈴がなる。 扉を
    開けると、パソコンを抱えた 「運び屋」 矢ノ川が
    我が家へ突入、 有無を言わせず、居間に
    セッティング。 つづいて 「仕掛け屋」 高須が
    配線を終えたと同時に、プロバイダーにオンライン・
    サイン・アップ。 あっという間にメールが開設。
    この間わずかに15分。
    その夜、オッチャンから怒涛のようなメール攻勢が
    かけられる。

     「メールって面白いけど、すっごい受信に時間が
      かかるんやねぇ」
    
     「オッ、今のやつならすぐやで、最近は
      パソコンも安なってるし」 

     とどめのアフターケア?が行われ、中谷家もあえなく
    陥落。   こうなるとまるで、強引な新興宗教の布教
    活動だ。

     彼らは今もなお、活動を続け、現在問題のパソコンは
    神吉家に移っている。 もうそろそろアフターケア?が
    行われている頃だ。

     「メール、一回やってみたいな」

     と思っているあなた、今すぐジャッカスに連絡を

     「布教活動隊」

     が3分以内で駆けつけます。