ジャッカスだった日々 その6
「ジャッカスの宴会」

 


   その日は、朝から公式戦だった。
  眠たい目をこすりながら、みんな試合会場の
  浜の宮グラウンドに集まった。

   駐車場に車をとめ、ユニフォームに着替えて
  グラウンドに集合する。

   浜の宮グラウンドは、浜の宮公園内にある。
  この公園は、自然の松の木を生かし、周辺に散策道やら、
  公民館やら、プールを配し、近所の人には憩いの場となっている。

   そんな公園内の北の一角に位置する浜の宮グラウンドは
  両翼が広く、我らジャッカスが公式戦をする場所としては
  上級の部類にランクされていた。

   だが、まぁ、ジャッカスの実力はグラウンドのよしあしぐらいでは
  左右されない。

   その日も健闘むなしく、本人たちの満足度は別として、
  試合内容および結果は、皆さんの想像どおりとなった。

   試合が終わり、着替えを済ます。  なんとなく、みんな
  このままでは立ち去りがたい。  

   「桂林は、11時からやでぇー」

   と、今はジャッカスのレギュラーとなったボーちゃんが言う。

   誰が先導するとも無しに時間をつぶし、やれ反省会と
  ボーちゃんの言った中華料理屋にみんなで乗り込む。

   ちょっと軽く昼飯でも、 と誰もが思っているのだが、
  
   「とりあえずビールやね」

   と、ジョッキが運ばれ、

   「ラーメン、食べたいねんけど、やっぱ、その前に餃子やね」

   と、誰が言ったか知らないが注文の声が飛ぶ。
  
   「こうなったら、春巻きも食べなあかんでぇ」

   という声が起こるころには、自然とジョッキのお換わりがきて、

   「中華といえば、焼き飯やぁーーーー」

   というころには、宴たけなわ。
 

   もう、こうなればジャッカス・反省会を止めるものは誰もいない。

   ごっきげんさんで、店を出たときはもう夕方。

   「またなぁー」

   と、やっとのことで解散の声が出る。
  まぁ、これも草野球の楽しみ、いいじゃぁないですか。

   と、みんな納得しながら家路についたそのとき、
  矢の川がポツリと一言、これまたみんなの本音をつぶやく。

   「たっかい、昼飯やなぁ」

            
           ジャッカスの宴会、絶好調ぉぉぉぉぉーーーー。