連続短編小説    それゆけジャッカス
 ジャッカスだった日々 その5  「ジャッカス対ダンディネス」

 
 
 
  ボーちゃんこと、棒谷君率いるダンディネスがジャッカスに
 試合を申し込んできたのはこの頃だっただろうか?

  矢の川さゆりさんの兄・健ちゃんが勤める、フットワークに
 ボーちゃんが勤めていた関係で、ダンディネスとジャッカスは
 めぐり会った。

  「おねがいしゃース」

  の挨拶が終わった瞬間に、勝負は決まっていた。
 
  ジャッカスは体にぴちぴちのユニフォーム。 
 ストッキングはすねまで上げて、いつも通りの
 いなかもんファッション。 

  対するダンディネスは、ピンストライプに、だぼだぼの
 ユニフォーム。 もちろんズボンは、くるぶしまで下げている。

  それでも、人生良く出来たもので、試合はそこそこの
 シーソー・ゲーム。  勢いはあるが、若いダンディネスに対し
 おとなしいが、キャリアにものをいわせ、動じないジャッカス。

  一進一退のプレーが続き、それなりの結果に、試合は
 落ち着いた。     しかし。

  味方のエラーにつっこみも入れず、

  「ドンマイ、ドンマイ」

  のジャッカスに対し、

  初回からガムを噛み、ジャイアンツのギャリクソンを意識する
 味方チームのエースに向かい

  「ヘぇーい、ピッチャー、
       ガム、味あるんけぇー」

  と、やじっていたボーちゃん。
 

   ジャッカスとダンディネスは、育った水が違うようです。