連続短編小説   それゆけジャッカス  その36
ジャッカス北北東に進路をとれ 最終回

 
 
 
  幸福駅から愛国へ。 誰が言ったか知らないが、
 その当時はみんなそう言ってました。 そんな愛国駅で
 それぞれ思い思いの一泊野宿をすごしたジャッカス。
 最終日も順調に車を走らせ、とうとう小樽港に
 たどり着いた。

  長いようで短かった道内10日間の旅。 いろんな事が
 ありました。 イライラすることも有れば、お互いに
 見直すこともあり。 でも、喧嘩別れせず無事に旅を
 終えられたのは、ジャッカスのチーム・ワークの
 よさなのでしょう。

  北の大地でなんやかんや、男8人のむくつけき旅。
 その終焉を迎えてフェリーが港で待っている。 
  胸を張って乗り込もう。 

  楽しい思い出をありがとう。甲板から見る小樽の街が
 しだいしだいに遠ざかる。いつかまた来るその日まで
 皆さんどうかお元気で。   アディオース。

  旅の終わりの哀愁と、達成感にひたるジャッカス。
 そんな彼らとは裏腹に、船の操舵室は大騒ぎ。

  「せっ、船長ー。 や、やつらがまた我々の船に
   乗ってますー。」
  
  「わかっておる、大騒ぎをするな。どうもいやな
   予感がしていたんだ。 こうなったらアンラッキーと
   覚悟をきめて、一刻も早くやつら舞鶴に
   送り届けるのだぁー。」

  
     ジャッカス、北北東から無事帰還。
     北海道の皆さん及び新日本海フェリーの乗務員さん、
                 ありがとうございました。