連続短編小説  それゆけジャッカス その25
「ジャッカス、北北東へ進路をとれパートW」

 

     はじめに。  皆様のご愛顧により、好評?連載中の
    「それゆけジャッカス」。   北北東に進路をとって
    北海道に上陸したまでは良いのですが、最初の宿泊地は
    支笏湖、野宿ではなく、大沼のケイウンソウ・ユースでした。
    一読者から、さりげない指摘とご指導があり、ここに慎んで
    お詫び申し上げます。  小樽から迷子になったのは
    書いている私一人だったようです。   えっ、なに? 実は
    あなたも

     「ふん、ふん。 そうや、そうや。 そんな事あった」

    と納得していたって?    いやー、あなたも結構、
    アッポウですねぇ。      
 
 

     気おとりなおして。   強力な援護射撃を受けて、
    軌道修正した 「私」 及びジャッカス・コンボイは一路、
    函館へと向かう。

    
     それにしても北海道は広い。  土地に余裕が
    あれば暮らしている人の心にも余裕があるのか

     「もーお、行けるところまで、まぁっすぐ道ひいちゃうもんね」

    といわんばかりに素直な道が続く。  いやぁ、そうじゃないさ。
    ここの土地は冬になれば雪に閉ざされる。  出来るだけ
    まっすぐで広い道を作っておかなければ、やがてやって来る
    厳しい季節を暮らしてゆけないのさ。  などと物思いにふけっ
    ているうちに函館についた。   おいっ、いかに北海道の道が
    広いといっても、そりゃ―あんまり飛ばし過ぎでないかい?
    昨日小樽についたばかり。  などと言ってる間にジャッカスは
    どんどんと函館見物に乗り出す。  

     トラピスチヌ修導院、函館五稜郭・・・。  どれも由緒ある
    歴史的名所だ。

     「ふーーーん」

    と、言ってはどんどん進み、

     「へーーー」

    と、きょろきょろしては写真を撮り、

     「あはははははー」

    と、ぞろぞろ出てゆく。
    おーい、おまーら、もうちっとは感動せーよな―。
    
     さんざん遊んでくたびれて、その日の宿の大沼に
    着いた頃には日も暮れて、廻りはとっても暗かった。
                          
                そんな風だったような気がするなぁ。