野球を愛するジャッカス。 しかし、全員が二十歳 そこそこの男の子。 野球ばかりが人生ではない。 旅行なんかもいいんじゃない? ここらで、いっちょう、 どっかへいこうとなった。 そうと決まれば、話は早い。 岩本がユース・ホステルを手配する、オッチャンが、 フェリーの予約をする、テッチャンが車の洗車をする。 矢ノ川が、キャぁー、キャぁー、言って喜ぶ。 瞬く間に 旅行の手はずが整う。 車は、オッチャンのカリ―ナ、岩本のギャラン、
さぁー、これからが、本当の旅だ。 帰りたいやつは
一同、一糸乱れぬ動きで車に飛び込み、これからの
「波は荒いが、船出にはちょうどいい。」 「テッチャン、いかりを上げなっ」 「岡田君、帆を張れっ、全開だぞ。」 「神吉、前の見張りは頼んだぜ」 漆黒の闇が包む海へと、ゆっくりと船が動き出す。
やがて、沖に出た船は、ゆっくりと舳先を目的地へと
「よーし、港を出た。 北北東に進路を取れ」 のりに乗るジャッカスの勢いとは裏腹に 一同を乗せた新日本海フェリーは
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