大問題が生じた。 ジャッカスには決定的に足りない ものがあるというのだ。 それは一部のチームメートが 気づき、やがてチーム全体に大きな不安の影を落とした。 その影響力は、計り知れぬものがあり、あんなに 熱心だった練習にも身が入らなくなった。 まして、 試合などしようものなら相手チームにその致命的な 欠点を見せつけられ、ジャッカスは絶望のどん底に叩き 落された。 いくら負けつづけても途絶えなかった 「笑い」 が
「どこ、ほっとんや」 「あのくらい、捕れよ」 信じられないような罵声がグラウンドに響く。 あれほど
追い詰められたジャッカスは幾度もミーティングを
「部費を値上げしたらどうや?」 「ぜんぜん違う、そんな問題やない。 第一、罰金制度の
「個人攻撃はやめろ、今はそんな場合じゃない」 「実力アップを図ろう、そうすれば・・・・」 「よせ、我々の主義を忘れたのか? そんな事をすれば
「じゃぁ、どうすれば・・・」 「とにかく、一人一人が努力してみようや、でないと
喉まで出かかった言葉をオッチャンがぐっとこらえる。
「みんな、喜べ、なんとかなりそうや」 彼の言葉にジャッカスは甦った、結成以来、はじめて
数日後、活気を取り戻したジャッカスのベンチに
めでたし、めでたし。
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