連続短編小説   それゆけジャッカス

 番外    「クラブ、 ジャッカスのナンバー1」

 
クラブのナンバー1などというとさゆりさんやツーチャンが、
あら私の事? といって一歩前にでてきそうだが、
あいにく今回はあなた方の話ではない。
その昔、高須が京都で仕事をしていた頃、週末に
高砂の自宅へ帰るときのことである。
もうご存知のようにその頃、矢ノ川家はジャッカスの
溜まり場になっていたので高須は帰り道の都合もあって、
自宅へ帰る前にちょくちょく寄っていたそうだ。
その日もいつもの様にバイパスを降りて矢ノ川家へ
立ちよったところ長女の春妃が出てきて
      
「あーら、高須さん」
「今、ちょっとみんな留守にしていますが、上がってください」
      
と招きいれられ、
   
「すぐ戻りますので、まあ、どうぞ」
   
とビールを勧められたそうだ。
その当時、春妃は小学校低学年くらい。

この話を聞いたジャッカス一同。
普段の自分たちの振る舞いを思い出しつつ、良くできた
お子やねぇと感心するやら恐縮するやら。
酒飲みの大人たちをまわりにもつと、いろいろ苦労を
かけるねぇ、春妃。
       
あれからずいぶん年月が経った。
みんな少しは年をとった。 はげたやつもいる。
はげかかっているやつもいる。
苦労かけついでにこれからは、高須のおじ様とか
大西のおじ様というふうに呼んでみてはどうだろうか?

少しは雰囲気が変わってジャッカスの宴会も大人っぽい
ムードになるのではないだろうか? 
         
え? おまえらごとき いなっかぺ、おっさんで十分やってか?
                                 
        えるぁい、すんまへーん。