日岡山公園Fan            日岡山展望台より

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第二十回 日岡山神社の伝説B
第二十一回 もう一つの展望台
第二十二回 古の港@
第二十一回:もうひとつの展望台

 日岡山には、二ヵ所の展望台があります。
 一つは、多くの皆さんが訪れて休憩にも利用されている「OAAハリマハイツ」上の、西側の階段から登る展望台です。東播磨地域の南部をはじめ、瀬戸内海に浮かぶ淡路島、よく晴れた日には四国など、遠くまで一望できるからです。公園や寺社などへ来られた方は、一度は登って眺められたのではないかと思います。
 もう一つの展望台は北側にあるのですが、あまり知られていないようです。
 北東側へ下山すると右手はハリマハイツですが、左手へと向かう道があり方向を示す矢印と一緒に「300m」と記した木製の看板が立っています。表示に従い、両側が木々で覆われた小路を歩いていると、何ヵ所かに同じような矢印が設置されています。途中、ふと右手に向けたら陸上競技場などでサッカーなどの運動している姿も眼に届きます。
 やや登り坂になって来て、「こもれびの丘」「市松の庭」「四季・さえずりの丘」など、何ヵ所かに「花とみどりの街づくり リーダー養成講座」の受講生が制作した花壇へと出てきました。さらに登り詰めると小さな広場へと出たら、周囲の木々の間から眺めが開けてきます。あたりには長椅子などがいくつか置かれていますから、ゆっくりと休憩している年輩者も見受けられました。
 広場内を見渡していると、立札に気付きました。「日岡展望所」と共に小さく「旧日岡山配水地」と記しています。昭和32年に有効容量1800?として完成、自然流下により加古川町方面へ配水とあり、現在は公園として整備されている、との説明がなされていました。
 28年に刊行の『加古川市誌』第一巻には、関連する内容が記載されています。かつては地下水と井戸に頼っていましたが、25年12月17日、市会の議会を経て給水、とあります。同年の6月15日には、加古川町をはじめ、野口・神野(かんの)・平岡・尾上が合併して加古川市になっていたのでした。
 33年発行の市内の小学校で使用された社会科の副読本『わたしたちの加古川』にも、日岡山配水地についてのページがあります。「中津(加古川町中津)の水源地はいくらでも水が出てきますが、利用者が増えるにつれて送水しにくくなり、29年には日岡山に配水地をつくりました。モーターで30mもある配水地へ水を上げてから送るのです」ともありました。
 北側の展望台は低い場所にあるので、遠くの方までは眺められません。加古川でも河川沿いや対岸で右岸に位置する平荘(へいそう)町を中心とする狭い範囲になります。ただ、真下には左岸沿いをJR加古川線が通り、運が良ければ電車の通過を間近で見られるのです。ハリマハイツ上からとは、少しばかり違った風景を味わえるのではないでしょうか。
                       20120202 岡田 功(加古川史学会)



日岡展望所(旧日岡山配水地)