花と緑の基礎知識

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木綿の作り方

 綿の種は4月下旬から5月初旬に播きます。水は適当でも育ちますが、肥料をしっかり施ると立派な実がつきます。
 夏に芙蓉に似た黄色い花が咲き実がつきます。秋にはその実が割れて、白い綿が顔を出します。それは、とてもかわいいものです。
 綿を摘み取り、「綿繰り機」で種を取ります。
 種を除いた綿は、綿打ちするとふんわかとした布団綿(のし綿)になります。
 一升桝を裏返し、その底面の大きさに綿をちぎり、細い棒を芯にして、クルクルと巻き、細長い「じんき」を作ります。その形は、ガマの穂綿のようです。
 糸車を右手、左手でじんきを持って、ツム(糸を巻き取る金具)に撚(よ)りをかけて巻き取っていきます。
 巻き取った木綿糸を總車(かせぐるま)に巻き取り總にします。
 木綿糸を染める際、藍・栗・ヤシャブシ・蓬・クチナシ・アカネ等の自然のもので染め、色止めを工夫すると味わい深い色になります。
 機(はた)に糸を架けて布に織り上げます。

木綿をつくるための道具類

綿繰り機(わたくりき)
 摘み取った綿の種を取る道具。播磨は綿花作りが盛んであったから、納屋を探せば、出てくるかもしれません。今日でも、種を取るには同じこの道具を使います。






糸 車(いとぐるま)
 撚りをかけて糸に紡ぐ。






綛 車(かせぐるま)
 紡いだ糸を綛にする。同じ長さの糸が作れるように、50回まわすと分かるように工夫されている。


綛車
車で巻き取った糸

織機






加古川で栽培した茶綿で織られたショール