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コバノミツバツツジ


ヒラドツツジ



テーダマツ

 あまりなじみのある樹木ではありませんが、エントランスから展望台への園路(ガーデンロード)沿いにテーダ松の並木があります。高木ですので、園路に沿って見上げると非常に見ごたえがあります。
 日本の樹木ではありませんがいろいろな場所で植林に用いられているようです。本来は、北米に分布している高木で30から35mになるものです。最大のものは、アメリカ合衆国サウスカロライナ州のコンガリー国立公園にある51.4mのものが知られています。
 松では、アカマツやクロマツ等の二本の針葉(二葉)のものや五葉のものが知られていますが、このテーダ松は三葉であり、葉も長く20cm程度にもなりますので、落ちている針葉をみていただければ、他の松と区別が出来ます。
 実(まつぼっくり)も大きめですので、工作や装飾に使用している例も、ホームページなどでは紹介されています。
 ゴルフを愛好される方には有名なオーガスタナショナルゴルフクラブの17番ホールのフェアウエイの右側に、「アイゼンハワーの木」と名づけられているテーダ松があります。アメリカ大統領アイゼンハワーが、1956年にこの17番ホールで何度もボールをぶつけ、きること要望したことより、名づけられたようです。ボビージョーンズを筆頭とする理事たちは断ったことにより現在も残っている。ちなみに、同ゴルフコースにはアイゼンハワー大統領の家(アイクの家)もある。

アカマツ

 クロマツとともに日本を代表する松のひとつです。樹皮が赤っぽい色をしているととこからアカマツと呼ばれます。根元の方は、分厚く亀甲状に割れ目が入りますが、1mより上では樹皮が薄く更に赤っぽいためここで見分けるとわかりやすい。クロマツの「雄松」に対して、「雌松」と呼ばれる。また、葉は2枚の葉っぱより成る2葉ですが、クロマツよりも細く柔らかいのが特徴です。クロマツは、海岸線に生息するのにたいして、内陸に分布する。日岡山公園では、どちらの樹木も見られるが、展望台方面の日岡稜側にはアカマツが多数見られる。

 アカマツ林といえばマツタケですが、アカマツとマツタケは相利共生の関係です。相利共生とは、異種のものが同じところで生活することにより、互いに利益を得る関係のことですが、マツタケ菌の接種によりアカマツの成長量と光合成速度が増加することが明らかにされ、アカマツ−マツタケ外生菌根が生理的に大きな役割を果たしていることが推測ています。マツタケは、腐葉土が積もった富栄養価の状態では生息状況としては不適である。里山を再生して、マツタケを復活させようという活動もされている。(京マツタケ復活・里山再生)マツタケはクロマツ林にもまれにはえるようです。

クロマツ

 クロマツは、加古川市の市の木であり、全国でも自治体の木としているところが沢山あります。兵庫県では他に芦屋市と南あわじ市が市の木としています。加古川市では、浜の宮公園のクロマツの林がありますが、浜宮天神社の「菅公のお手植えの松」、尾上神社の「尾上の松」や別府町の「手枕の松」(たまくらのまつ)も名松を今に伝えています。高砂市の「高砂の松」「曽根の松」と播州松めぐりはつづきます。
(尾上の松は5代目、手枕の松は3代目となっています。)
 樹高は40mに達することもありますが、めったにそこまでは成長しません。40mを超えるものの記録はありますが現存はしていません。樹皮は、アカマツより黒っぽく、針葉は硬い。盆栽用の樹種として使われる。
 砂浜にクロマツの風景は、「白砂青松」として景観が重視されてきたが、自然にできたものか、人工的に暴風などを目的に植林されたものかは不明である。「白砂青松100選」には、高砂海浜公園が選ばれている。

コナラ

 2010年夏は記録的な猛暑でしたが、この暑さの影響で全国的に「ナラ枯れ」ほ被害が増えていると耳にされた方も多いと思います。京都では、夏の伝統行事の「五山送り火」の東山でも被害が拡大し、「大」の文字で知られる如意が嶽などで、やまのあちこちで紅葉のように色づいてしまったといいます。このナラ枯れカシノナガキクイムシ(カシナガ)という体長約5ミリの害虫が運ぶ「ナラ菌」が原因で発生するミズナラや今回紹介するコナラなどのナラ科やブナ科の樹木の伝染病。カシナガが夏に繁殖のため幹に穴を開けて入り込むことで、樹木が菌に感染する。内部で菌が広がった樹木は水分を運ぶ管が詰まり、枯れてしまう。
 コナラは漢字で書くと「小楢」となるが、ミズナラ(大楢)と比較してつけられた。花は4〜5月くらいに咲き、秋には実がつく。山や公園で見かける「ドングリ」のひとつです。どんぐりについては、次が詳しい。
   「どんぐり図鑑」
   「すばらしいドングリの世界」
 材木は、シイタケの原木に使われる。以前は、薪にも使われており里山が環境保持されるきっかけとなっていたと思われるが、当然最近は需要が減ってしまい薪材としての位置づけは失われた。始めに書いた「ナラ枯れ」の背景にもこのようなことがあると考えられています。
 記録的な猛暑は、ドングリの不作もまねき、2010年はクマの人里への出現や被害が多数報告されており、いろいろな面で生態系の大切な部分を担っている樹木だと思います。



イロハカエデ

 日本の紅葉といえばモミジを思い浮かべる方が多数ではないでしょうか。そのもみじの中で代表的なものが、「イロハカエデ(イロハモミジ)」です。ヤマモミジはこのイロハカエデの亜種です。
 樹高は、15m、幹の周りは80cmに達する。葉は、5cm程度で、掌状に5〜9列する。この裂片を「いろはにほへと・・・」とかぞえたことに和名は由来しているとされる。暗紫色で 5個の萼片と黄緑色もしくは紫色を帯びる花弁をもつ花は、4〜5月に咲き、1.5cmほどの翼を持つ翼果が夏から初秋に風で飛ばされる。
 秋には、紅葉するが、紅葉はアントシアニンの生成による葉の中の化学反応で起こされるとされる。ちなみに黄色い葉は、クロロフィルの消失による常に葉の中にあるカロチノイドの色が顕在化したものだそうです。紅葉の科学については次が詳しいので参照してみてください。
   「紅葉を科学しちゃう!」
   「紅葉の科学」 このリンクで「The chemistry of automn colors」
  もう少し、学問的なものは、「きままに有機化学」

 カナダ国旗には、カエデが描かれています。このカエデは、サトウカエデで樹液が甘く、メープルシロップとして知られています。

ウメ

 ウメは、サクラ同様バラ属に属している落葉高木である。梅には300種類以上の種類があるが、野梅系・紅梅系・豊後系の3種類に分類され、梅の実をとるのは主に豊後系である。紅梅は枝の断面も紅い。2月〜4月に花を咲かせ、6月頃に実が熟す。「梅雨」は梅の実がなるころに雨が多いかららしい。
 果実は梅干をはじめ食用とされていることはご存知の通りで、クエン酸をはじめとして有機酸を多く含むので健康食品として販売される。

 紀州梅効能研究会・・・梅の効能についてはこちら
 荻窪 鈴木青果店の梅干ちょっといい話・・・梅干についてはこちらが詳しい

 中国では紀元前から酸味料として用いられており、塩とともに最古の調味料だとされている。日本語でも使われる良い味加減や調整を意味する単語「塩梅(あんばい)」とは、元々はウメと塩による味付けが美味くいったこと示した言葉である。
 一方、梅干しの種の仁(中身)を俗に天神様と言い、この部分を好んで食べる人もいる。天神様という俗称は菅原道真の飛梅伝説に由来するが、種子の中には胃酸によりシアンを精製し有毒であるとされる。たくさん食さない限りはかじった程度では問題ないとされている。

ハナミズキ

  ハナミズキは、日岡山公園では、OAAハリマハイツへの道路沿いに並木があります。4月下旬から5月上旬には白い花をたくさんつけ、秋には紅葉、冬には紅い実を付け、四季を通じて楽しめる樹木です。花びらのように見える部分は、総苞という花をつつんでいる部分です。右上の写真で、中心部のおしべのような部分が多数の花の集まりで、つぎつぎに咲いていきます。

 ヤマボウシの近縁ですが、上記の4枚の総苞の先端がくぼむことで容易に見分けることができます。サンシュユとも近縁で、花は似ていませんが、紅い実をつけることが似ています。犬の皮膚治療に使用されたことから、英名は、dogwood(ドッグウッド)。

 アメリカ東海岸からメキシコに分布しており、1912年に当時東京市長であった、尾崎行雄がワシントンDCにソメイヨシノ(現在ポトマック湖畔に植栽)の返礼として贈られたのが日本植栽のはじまりで、その原木は、日比谷公園にある。


 花水木を育てる会・・・花水木の育て方についてはこちら

 一青窈の曲で、ハナミズキがあるが、この曲発売に際してつぎのようなコメントを書いている。
 そもそもこの詩を書いたのは、911のテロの事件を受けて、でした。
何かもっと人と人はやさしさを交換できないものかなぁ、と。
つらつらつら、と
自分の周りにある平和を思ってみたら
そこかしこに転がってました。
例えば下校の時に友と時間を潰した二子玉川のドッグウッド(花水木)プラザ。

明治45年当時の東京市長だった尾崎行雄、が
アメリカに桜を贈った返礼として贈られらたのが花水木。
ワシントンのポトマック湖畔は桜で彩られ
日本の家庭や皇帝には花水木が花をつけている。
尾崎の目指した日米親交は十分すぎる程図られた、といえます。

何年もかかってお互いの思いが
いまだカタチとして目に見え
花として実を結んでいるというのが美しいなぁ
と、

「ハナミズキ」は
自分の大切なひと、とその人の好きな人が
せめて
100年続けばいい

ネジキ

 ツツジ科の樹木で、本州、四国、九州に広く分布し、六甲山でもたくさん自生しています。

幹の樹皮が細長く薄くはがれ、それがねじれて見えることでわかる。名前もねじれていることに由来しているが表面だけがねじれているのではなくて、材そのものまでねじれていることから、燃料としてまきをつかっていたころには割りにくい木として有名であったようです。広島の宮島では、この材から短く切ってしゃもじを作るのに利用していた。

 新枝は赤く、また葉っぱは紅葉する。



 花は、5から6月頃に小さなつぼ形のもので等間隔に下向きに咲く。

葉や花に毒を持つ、有毒植物で、島根県の三瓶地方では「霧酔病」といわれる牛や馬の疾病が流行ったが、このネジキの中毒であることが判明している。最近でもトルコでツツジ属の花からとった蜂蜜を食べ,ヒトの中毒事故が起きているとの報告があります。


ムクゲ
 日岡山公園も夏になると、花は少なくなりせみの声と木々の緑の葉に覆われますが、その中で、ムクゲの花はいろいろな色で長い期間(7〜10月)咲き、目を楽しませてくれます。高さは、3〜4mくらいですがほおっておくと10mくらいになり桜とあまりかわらなくなるものもあるようです。アオイ科フヨウ属であり、ハイビスカスやフヨウの仲間で、花だけでは見分けが難しい。(ムクゲのそっくりさん)フヨウとは、葉っぱで見分けるのがわかりやすく、ムクゲが、3裂(3つに分かれる)傾向があるのに対して、フヨウは、掌状(手のひら状)に浅い切れ込みがあります。花は、一日花といわれる場合がありますが、朝方3時頃に開いた花は夕方にはしぼみますが、同じ花が2から3日は咲いています。種子は風散布されるので表面には毛がついています。
 中国名を「木槿(ムージン)」と呼び、漢字にはこの字が当てられています。韓国では、「無窮花(ムグンファ)」とよばれて、国の繁栄を意味する花として国花(韓国政府の公式ホームページ)になっています。列車にもムグンファ号という名前が付けられています。
  
 樹皮や花は生薬となり皮膚炎の薬になります。
 松尾芭蕉、小林一茶の俳句にも呼ばれるように昔より親しまれている樹木のようです。
 「道のべの  木槿は馬に  食はれけり」          
                 松尾芭蕉(野ざらし紀行)      

 「それがしも  其(そ)の日暮らしぞ            
                 花木槿」    小林一茶    

サルスベリ

 8月頃咲く紅の濃淡または白色の花が美しく、耐病性もあり、必要以上に大きくならないため、しばしば好んで庭や公園などに植えられる。高さは2〜9mである。

 紅色の花が一般的であり、次から次へ花を咲かせて、百日にもわたり花が咲いているイメージより、原産の中国では「百日紅(ヒャクジツコウ)」と呼ばれた。これに対し、日本では、その木肌がスベスベとしており、サルも滑って登れそうにないことより「猿滑」とよばれるようになった。実際には、さるはこの木を簡単に上ることができるとのことである。ちなみに、英語名は、Crape myrtleで、ギンバイカ(myrtle)に似て、花弁がちりめん(crape)のように縮れていることに由来している。        (参考) 「百日紅」は、なぜ「さるすべり」とよめるのか?



 花言葉は、「雄弁」「愛敬」「活動」「世話好き」。
 うたには夏の暑さの中次々と咲く力強い姿が詠まれている。
   「散れば咲き? 散れば咲きして? 百日紅」      加賀千代女      
    「炎天の? 地上花あり? 百日紅」     高浜虚子    

ヌルデ


 ヌルデは、ウルシ科の落葉高木で、秋には葉が紅葉する。カチノキとも呼ばれるが、かつて聖徳太子が、蘇我馬子の戦勝をヌルデで作った仏像で祈願したことからきている。うるしほどではないが、まれにかぶれる人がいる。花は数mm程度と小さい。ヌルデの名前の由来は、昔幹に傷をつけて白い樹液を採取して、塗料に使ったことから来ているとされる。ヌルデアブラムシが葉に寄生すると、大きな虫えいをつくるが、この虫えいには、黒褐色のアブラムシがたくさんはいっている。タンニンが豊富に含まれており黒色の染料の原料になる。かつては、既婚者及び18才以上未婚者の習慣であったお歯黒に用いられた。


ヌルデについて、こちらが非常にくわしい。

タラヨウ


 冬場になると公園内は花をつける樹木が少なくなりますが、紅い実をつけた樹木をいくらか見かけます。このタラヨウも紅い実をつける樹木のひとつで、特に固まって多数の実を付けるので目立ちます。

 紅い実をつける樹木については、こちらを参照。

 タラヨウ(多羅葉と書く)は、モチノキ科の樹木です。花は5月か6月に咲く。花弁は黄緑色で4mm程です。樹皮はなめらか。この木は紅い実以外に葉っぱに特徴があります。大きさは20cmくらいですが、葉の裏にとがったもので字や絵を描くとやがて黒くなり浮き上がってきて、長い期間残るようです。このことから、「はがきの木」と呼ばれており、郵便局のシンボルツリーとなっています。郵便局の前に説明書きと一緒に植栽されている場合もあるようです。文字を書いたタラヨウの葉に切手を貼ってポストに入れると郵便として扱ってもらえます。